花火
この二日間で体は疲れきっていて、深い眠りを欲していた。それなのに頭の中は冴え渡り、瞼を閉じることを拒んでいた。何度も睨みつけた時計の針は、もうすぐ日を跨ごうとしていた。眠ろう、幾ら待っても無駄だ。これからどの様な道を歩むにせよ、今は眠って体を休めなくてはならない。冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出すと、一気に半分程飲みほした。疲れきった体内に、一気にアルコールが駆け回り、張りつめた糸を緩めていった。残りの半分を喉に流し込むと、ベッドの中に潜り込んだ。
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