花火
何度読み直しても、メールにはその一言しか書いてなかった。まったく感情のこもっていないゴシック体の文字に、心一つ込められていない言葉。言葉ではない、単なる相槌だ。怒りとも悲しみとも取れる、複雑な感情が嵐の様に波打った。
『そっかはなくない?確かに俺の独断で取った行動だけどさ』
送った後に後悔した。なぜ一時的な感情に流されてしまうのだろう。何も変わっていないじゃないか。
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