花火
「そう?たぶん今日は日焼け止めを多く塗ってきたからじゃないかな。変だった?」
真夏に突入した日差しは容赦なく降り注ぎ、皺やシミを気にする女の子としては、当然の対処の様だ。
「なるほどね。別に変ではないけど、春香は薄めの化粧の方が似合ってるからさ」
「じゃ、当分の間は厚化粧で我慢してね」
軽く酔ってきたのか、花火で浮かれているのか、いつも以上におどけた様子で答えた。
それから春香は江戸川区の花火大会が、どれだけすごくて感動的なのかを熱く語った。
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