花火
行きは込んでいると言っても、三十分程度で歩けた河川敷から駅までの道のりも、帰りはその倍以上の時間がかかっていた。ここからが一番の難関で、駅はすでに目の前と迫っているのに、そこから一向に進まない。どうやら、駅に入場規制がかかっているようで、人は後から貯まる一方だった。時計の針はすでに九時半を過ぎていた。
「全然進みそうにないね。このままじゃ家に着くのは十一時過ぎだな」
ただでさえここから一時間近くかかるのに、電車にいつ乗れるのかも分からない状態だ。まぁ明日は日曜日だ、そう思って半ば諦めていた。
「全然進みそうにないね。このままじゃ家に着くのは十一時過ぎだな」
ただでさえここから一時間近くかかるのに、電車にいつ乗れるのかも分からない状態だ。まぁ明日は日曜日だ、そう思って半ば諦めていた。