神威異伝
理緒が驚いたように目を見開く。
「おじいちゃん……」
「可愛い子には旅をさせよ…。そんな諺(ことわざ)もあったのぅ」
賢雄が微笑んだ。
「行きなさい、理緒。それだけの覚悟と度胸があれば大丈夫じゃ」
顎をさすりながらそう呟くと、賢雄は十夜に声をかけた。
「十夜、すまぬ…。こやつも連れて行ってやってくれ」
少しして、十夜が観念したように溜め息を吐いた。
「……わーったよ、大爺。理緒の事は任せとけ」
理緒が十夜の方に振り返ると、十夜が小さく笑った。