蝶の学園
沙織が私の手をとって握った。



強く、強く握った。



でも、強く握った中にどことなく弱さが滲み出ていた。



「あたしには、みんながいる…だから怖くないよ」



沙織は、私の目を見て言った。



誰だって怖いのに、逃げ出しそうなのに。



沙織はあたしのために強がった。



強がり。



それは沙織の性格だ。











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