コンビニラブ
「まぁ。はじめは可愛かったんすヨ!バイトが待ち遠しいんだとかなんとか言っちゃって!だから、つい、つきあおうぜって…言わされたんすよねぇ、結局、俺。」

「…」

「でもほら!今フリーですから!世間には可愛い子いっぱいいるし!」

「そんなもんか?」

「そんなもんすヨ!あ、そだ!最近よく来る伸治くんの友達、アレって伸治くんねらいなんすか?」

「え、えー。」

「違うんすか?なーんか、あーゆー系、俺、けっこうタイプなんすよね〜。」

「んー…」

「彼氏とかいるんすかね?」

「いや…いるみたいだったよーな…」

「そーっすよね、やっぱ。」

「…そんなにじっくり客のこと見てんの?」

「当たり前じゃないっすか?どこに出会いのチャンスがあるか分からないんすから!」


そんなバイトの顔をジッと見る伸治は思う。

(よく見りゃ、あどけない顔してんだなぁコイツ!)

そして、

「いらっしゃいませ。」

彼の接客の様子を横目に、

(コイツのこの瞳で見つめられるのと、俺がジロジロ見るのとじゃ、相手もとらえ方が違うんだろうなぁ。)と、

必要以上には、目を合わせない様に接客している自分と比較した。


「おまえ、チラチラ見過ぎ!」

「やっぱり?カノ…元カノにも、よく言われてました。ははは。」


伸治は、今まで一緒に働いていて、
はじめて彼に、危険性を感じたのだった。
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