先生愛!



長い沈黙を破って,先生が口を開いた。






「部活は入ってるんですか?」







はっ!?







唐突にこんな事聞かれるとは思わなくて,
何だか間抜けした。






「あぁ……はいっ。」







「何部ですか?」







「吹奏楽部です。」







「何を吹いてるんですか?」







「ホルンです。」







そんな一問一答がしばらく続き,また沈黙。







うわ―っ…
この沈黙苦手。







この先生は平気なのかな…?







「まあ,明日から少しずつリハビリしていきましょう。足の痺れとか感覚がないとかもないですか?
…もし,何かあったら言ってください。」

そういって先生はカーテンの奥に消えていった。







はぁ。


本当に,あっという間。







ほんの少しの,甘~い時間。







ほんの少しの間の,ピンクの空間。








予定退院日は明日。







そんなの…

嫌だよ……






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