先生愛!
「はい,終わりましたよ。」
そう言って,先生は手にはめていたゴム手袋を外した。
色々考えてる間に縫い終わってしまったようだ。
もう一度縫い目に沿って消毒をしたあと,
ガーゼをあてながら
「そういや,医者は就職に困りませんよ。」
先生の口から唐突に出た言葉。
前の進路の話の続きなのだろう。
看護士さんも
「えっ!?すごい!!そんな話してたの?!」
と驚いている。
何だか,あの言葉が
『俺と同じ,医者になれば?』
って言ってくれてる様な気がしてすごく,ものすごく,嬉しかったし
誰も知らない,私と先生の2人だけの秘密の会話,みたいな気がして
特別な感じがして,とっても嬉しかった。