先生愛!



―――先生の診察室での助手の仕事も、まだやっぱり緊張するけれど――

仕事もテキパキこなせるようにもなったし,先生のしょうもないギャグをスルー出来るようにもなった。

最近聞いたんだけど,先生はたまたま依頼があって去年,白山病院から移ってきたらしい。


本当,運命ってすごいよね…

きっと、これは運命。神様が私達を引き合わせてくれた。
そう思わずにはいられなかった。




そうして、大分、仕事も板についてきたある日。









「今日は,午前中で終わりだ。午後からは,オペが入ってるから。だから,仕事きりあげていいよ。」


そういって,先生はバタバタと出て行った。




「わかりました!ありがとうございます!おっお疲れ様でしたっ!!」

先生が出て行った後のドアがギリギリ閉まる前に叫んだ。







今日も,終わった。







先生のそばにいられるだけで,毎日幸せ。


それが私の,小さな幸せ。


今日はもう,夢の時間は終わり。






切り上げようと更衣室に行こうとしたら,書類の散乱した先生の机が目についた。







「…これだけ片付けてから帰るかっ…」

先生の役に立ちたかった私は,片付けることにした。







陰でいいから,支えたい。
そう,思った。




せっせと,片付けた。
その中から1枚の写真。

綺麗な女の人。






その瞬間に私を稲妻が貫いた。







彼女…いたんだ…

先生…彼女いたんだ…。







涙が止まらなかった。


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