ハレルヤ



奴のニヤけていた顔が
怒り顔に変わったかと思うと、

すごい力であたしの手をおさえて
カーディガンをめくった。



そしてあたしのお腹のあたりを
軽く撫ぜまわすと満足したように

「もう下がらないな!
 次からはちゃんとしろよ!」

そう言って笑って教卓へ戻って行った。


あたしはビックリして
暫くの間硬直していた。

みんなの驚いた視線が
あたしに突き刺ってくる。


あたしは視線に耐えられなくなって
ゆっくりと自分の席に座った。


強い視線を感じて横を見てみると
今日来たあの転入生だった。


ビックリしたような顔をしていたが
目が合うと困ったような顔をして
笑って頭を軽く下げてきた。


この誰も喋らない張り詰めた空気が嫌だったあたしは彼の笑顔に少し救われた。





笑うことは出来なかったけれど、
ありがとうという意味を込めて頭を下げ返した。



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