ライアープリンセス~偽りのお姫様~
第六章 お嬢様は危険がいっぱい?!


……………………………

『お見合い』の相手、佐倉田恭介様について、いい人だったよ、と夢叶様はサラッと言ってみせた。

自分もそのように聞いていた。

佐倉田家のご子息は若いのに人間が出来たしっかりした青年だと。

胸につかえている気持ち。

そして夢叶様の側にいられる幸せ。

でもそれは『執事』として。

飽きる程側にいるのに、通い合うことなどない想い。

執事としてただ夢叶様の幸せを願ったいたはずなのに。

「執事失格、かな。」

自分に言い聞かせるように、呟く。

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