幼なじみは先生


「ん?どうかしたの?」

杏があたしに問いかける
「この毛糸、可愛い」

「毛糸かいっ」

ツッコミを入れられたあたし

白と黒が混じった色の毛糸。


そういえば…

もうすぐ、いっくんの誕生日

もう11月21日か…

いっくんの誕生日まで後26日


もう、あたしには関係ないと分かっていても…

あたしは毛糸を念のため二つ取った


いっくんの誕生日にあたしは…思いを伝えてまた"幼なじみ"に戻りたい…

好きだけど…気まずいままなんて嫌だ…


「ねぇ真白、このぬいぐるみ可愛くない?」

後ろから杏が話しかけてきた

「え?どれ?」

後ろに振り返る

杏がそのぬいぐるみを手に取りあたしに見せた

今流行りの恋のお守りとして使われているというクマのぬいぐるみ

首に赤いリボンが大きく飾られていた

本当だ…可愛い。

「恋のお守り…か。可愛いと思うよ」

あたしはそう言ってレジに向かった
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