幼なじみは先生


「あ…!」


マフラー!

忘れて来ちゃったんだ…
「はぁ‥」

溜め息を吐く

どこにマフラー置いてったんだっけ…

取りに行かなきゃ…

鼻を啜って身震いをする
もと来た道を戻ろうとした時、声が聞こえた

『真白‥!!』

「え…?」

足を止める

薄暗い道の中、前から姿が現れた

走ってくる影

「いっくん…?‥‥何で…」

息切れをしながらあたしの前に立った

いっくんの手元を見ると、マフラーがあった

「そのマフラー‥」

『忘れてた。…ん』

そう言ってあたしの首に巻いてくれた

「あ‥りがとう…」

頬にいっくんの手が触れる

その瞬間、あたしに倒れ掛かってきた

「わっ…どうしたの?いっくん?」

『ごめん…』

そう言って離れようとしたいっくんの足がまたふらついている

もしかして…

「いっくん、待って」

彼の手を握り締める

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