幼なじみは先生
「真白もういいよ…先輩…」
悲しそうな笑みを浮かべながら彼女さんを見つめる杏
「何よ」
冷たく放つ彼女の声
「先輩を振らないで上げて下さい…幸せにしてあげて下さい…お願いです‥創也先輩を悲しませることだけは‥しないで…くださいっ」
杏の瞳に涙が浮かぶ
「なっ‥!!なにいって‥」
「お願いです‥!!」
アスファルトに膝をつけて必死に先輩に訴える杏
充分だよ‥杏の創也先輩への思い、痛いほど分かるから…
だから…もう―‥‥
ジャリッ
『なにしてんだよ‥』
え…?
杏の表情が固まる
あたしは声のするほうに振り返った
「創也…」
動揺している彼女の声
創也さん…?
『途中から全部話し聞いてた‥』
「違うの‥違うのよ!そんなっ‥‥」
必死に否定する彼女