幼なじみは先生


「真白もういいよ…先輩…」


悲しそうな笑みを浮かべながら彼女さんを見つめる杏


「何よ」


冷たく放つ彼女の声


「先輩を振らないで上げて下さい…幸せにしてあげて下さい…お願いです‥創也先輩を悲しませることだけは‥しないで…くださいっ」


杏の瞳に涙が浮かぶ


「なっ‥!!なにいって‥」

「お願いです‥!!」


アスファルトに膝をつけて必死に先輩に訴える杏

充分だよ‥杏の創也先輩への思い、痛いほど分かるから…


だから…もう―‥‥


ジャリッ


『なにしてんだよ‥』


え…?


杏の表情が固まる


あたしは声のするほうに振り返った


「創也…」


動揺している彼女の声


創也さん…?


『途中から全部話し聞いてた‥』


「違うの‥違うのよ!そんなっ‥‥」


必死に否定する彼女


< 321 / 402 >

この作品をシェア

pagetop