チェンジ

サヨナラ…

『お疲れ様でした』
「………」

自分は
最後に部室の戸締まりを確認した。
本当は、1年全員で日替わりだったが
いつしか、押し付けられていた…

『戸締まり…よしっと』
―ガチャ―

鍵を締めて、職員室に鍵を返して
家に帰った。

『ただいま』
「………」
親は共働きだ…
だから、家には誰も…

「ワンッ!!」

いない訳じゃない
愛犬でゴールデンレトリバーのロコが出迎えてくれる。
『ただいまぁ!ロコ男』 ロコは、嬉しそうに尻尾を左右に降っている。

夕飯を食べ終わった頃…母さんが帰って来た。

『おかえり』
「ただいま!!」

「今日の部活はどうだったの?」

母さんは、自分がいじめられている事なんて
気付いてもない。

『うん!まぁ相変わらずだけど、楽しかったよ』『バスケはね…』

バスケはね…と小さい声で呟いた。

「そう…奈津美、ちょっと話しがあるから。座りなさい」

『うん』

すると、母さんが話し始めた
「あのね、2年から別の中学に引っ越す事になったから明日、顧問の東田先生に言って来なさい」

『わかった。んで、どこに引っ越すの?』

「筑後の方にある、前山中だよ」

『わかった。じゃあ、宿題してくる』
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