うしろの猫
それからね・・・

いじめっこのうしろについている黒い猫たちが、100匹になった時にね・・・


わたし、失敗しちゃったの・・・


わたしが隠れている藪の前を、いじめっこが通過しようとしているときにね。


・・・鳴っちゃったの・・・


わたしの携帯が鳴っちゃったのよ!


お母さんが、わたしに電話してきちゃったの!

間が悪いたらないでしょ、わたし慌てて携帯消したけどダメだった・・・

いじめっこは、わたしの携帯の着信音に気づき怒鳴ったの!

「そこの藪の中にいる奴出て来い!」て

すごく大きな声で・・・すごく怖い声で・・・

・・・わたし、あきらめて恐る恐る藪から出て行ったの・・・

そしたらね、そしたら・・・

突然、左のホッペに痛みが走ったの・・・!

わたし何がなんだか解らなかったけど。

痛みは、はっきり解ったの!

わたし、ぶたれたの!いきなり、ぶたれたのよ!


・・・女の子なのに・・・


・・・年下なのに・・・


・・・わたしの、言い訳も聞かず理不尽に、突然に・・・


・・・わたし、泣いたわ、その場で、わんわん泣いちゃったの。


・・・でもね・・・


いじめっこは、泣いているわたしを見て笑っているのよ・・・


・・・ひどいよね、ひどすぎるよね・・・


でもね・・・わたし、なにも言えないの・・・


いじめっこに、なにもできないの・・・


ただ、わんわん泣くしかできないの・・・


そしたらね・・・今度は、右のホッペに痛みが走ったの・・・!


ピーピーうるさいって怒鳴り声と一緒に!

わたし、両方のホッペを手で押さえながら、その場にへたりこんでしまったわ。

もう怖くて・・・怖くて・・・どうしようもなかったから・・・

わんわん泣くしかできなかったから・・・
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