うしろの猫
これで、わたしの話は終わり。
どうだった?あんまり怖くなかったかな・・・?
放課後の屋上で、彼女の話を聞いていた3人の少女たちの1人が重苦しい口調で言った。
「そ、それって・・・3年前に小学校の裏山で男の子が惨殺された話し?」
意味深な笑顔を向けて彼女は答える。
「うん、そうだよ。あなた、もしかして同じ小学校だったの?」
うさんくさそうに、2人の会話を聞いていた残りの少女が口を出す。
「なんなのさ?いまの話ってマジ話なの?」
「猫のことは知らんけど、3年前にあたしの通っていた小学校で当時6年だった男子生徒が、裏山で惨殺されたのよ!覚えてない?」
「あぁ、そんな事あったね!たしか野犬かなんかに襲われたって」
「わたしも、覚えている。当時すごく話題になったから!」
「結局、野犬も捕まらないままだったって」
その3人の会話を、彼女は静かに冷めた目で見つめている。
その視線を感じた、3人の中のリーダー各の子が不愉快そうに彼女に向かって言葉を投げかけた。
「でっ?結局あんたは、何が言いたいのさ?」
リーダー各の子の口調は敵意のあるものになっていく。
「突然、わたしらの前に現れて話しを聞いてくれと言うから聞いたら、いきなり怪談話なんかして、あんたキモイんだけど?」
残りの2人も、その少女に敵意のある視線を向けた。
少女は、冷たい視線を3人に向けながら静かに言う。
「あなた達、早智子ちゃんを、いじめているでしょ!」