雨夜の月
臆病…それは、私です。
この距離を保ちたくて、本心を隠したまま、砕け散りもしない。
『友達』を利用して、彼女すら騙してる。
「嵐……」
「俺が…一番の臆病者だよ」
「……え?」
「お前を…失うから…これ以上は言わねぇ…」
嵐
もしかして、私と同じですか…?
少しでも傍にいたくて、飛び出しそうな言葉を、何度も飲み込んだ。
階段の踊り場で泣いていた彼女が、記憶の奥から鮮明に蘇る。
もしも私と同じなら、私たちはあの人を裏切れない。
「嵐…」
「お前も言うな」
嵐の棘が、心に刺さった。
彼女を守っているの…?
私たちの関係を守っているの…?
「美月ーッ!!」
遠くで千里の声がする。
嵐から目を逸らせずに、私は嵐の言葉を待った。
「ごめんな…美月」
気持ちを伝えることさえできずに、突き付けられた結果。
それなら、砕けた方がマシなんだよ。
伝えきって、諦めて、そしたら前に進める。
突然動いた二人は、叶わぬ形に、気持ちを封じ込めるしかないなんて…。
それは余りにも、最上級のフラれ方じゃないんですか…?
この距離を保ちたくて、本心を隠したまま、砕け散りもしない。
『友達』を利用して、彼女すら騙してる。
「嵐……」
「俺が…一番の臆病者だよ」
「……え?」
「お前を…失うから…これ以上は言わねぇ…」
嵐
もしかして、私と同じですか…?
少しでも傍にいたくて、飛び出しそうな言葉を、何度も飲み込んだ。
階段の踊り場で泣いていた彼女が、記憶の奥から鮮明に蘇る。
もしも私と同じなら、私たちはあの人を裏切れない。
「嵐…」
「お前も言うな」
嵐の棘が、心に刺さった。
彼女を守っているの…?
私たちの関係を守っているの…?
「美月ーッ!!」
遠くで千里の声がする。
嵐から目を逸らせずに、私は嵐の言葉を待った。
「ごめんな…美月」
気持ちを伝えることさえできずに、突き付けられた結果。
それなら、砕けた方がマシなんだよ。
伝えきって、諦めて、そしたら前に進める。
突然動いた二人は、叶わぬ形に、気持ちを封じ込めるしかないなんて…。
それは余りにも、最上級のフラれ方じゃないんですか…?