【短編】花学園
「なんで来たんだよ」



最初に口を開けたのは、水裏だった。



「そんなに怒らないでもいいじゃーん。せっかく会いにきてあげたのに。」



「俺はそんなことお前に頼んだ覚えはない。第一、俺には彼女がいるんだ。」



その言葉を聞いた女の子は、さっきまでの笑顔が一瞬で消えた。




「・・・・あの山田美以子って子ー?…あんな子のどこがいいの?」



その言葉にたぶん全員が唾を飲んだ。



「そんなこと、お前には関係ない。」



「あんな子よりあたしを選んでよー♪」



なんだコイツ!!


顔は可愛いくせに、性格は憎たらしいなー。



「とにかく、もう来んな。美以子にも近づくな。」



そう言って、水裏が立ち上がり、歩き出した瞬間…



「待って。」


その言葉に水裏が止まった。



「あたしと寄り戻してくれないんだったら、あの山田美以子にあんたの過去、全部バラすから。」



「すきにしろ。」


水裏は歩き出した。

朱音ってこは、納得のいかない顔をしていた。










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