あたしの執事
1番変なことを吹き込んでるのはおまえだっ!という気持ちを込めて、如月の胸を思い切り叩く。


「反抗のつもり?」

「何が彼氏よ。調子に乗るな!」


いまいち会話が咬み合っていないが、如月にはこのぐらいが十分だ。


「梓の悪どさが分かっただろ?」

「…少なくとも誰かさんよりは悪どくないよ」


嫌味たっぷりにそう言って、如月から距離を置こうとする。


「なんで離れんだよ」

「アンタの隣にいたらいつも危険だもん」

「えー危険じゃないじゃん。いいことたくさん経験出来んじゃん」

「何が経験よ!」


ろくでもない知識がほとんどだ。


「だいたい執事と主の恋愛なんて言語道断。罰則が付くよ!」

「んー…そだね。執事の原則でもそう決められてるわ。でも、千秋とならいっかなって」

「あたしは良くない」

「なんせ俺がコレもってるでしょ」
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