あたしの執事
如月の華麗な誘導。本当…笑顔だけ素敵。


「雪子様、あとから業務にたずさわった資料のコピーと、息抜きのアップルティーをお持ちいたしますね」


優しくて、よく気の回る執事の笹峰さん。あたしの執事とは比べ物にならない

…むしろ、もう比べてはいけないような、気がする…


「はぁー…」


部屋に帰って早々ため息をするあたし。


「梓さんに会いたいなあ…」


如月の元カノと友達になった。如月関係というのは、何かしらの不満もあるし、複雑だったが、ここに来て初めて出来た友達。


「如月は、好きでもないあたしをいじめて、一体何が楽しいのかな…」


ぽつりと言った独り言。まさかドア越しで、アイツに聞かれていたなんて思ってもみなかったあたしは、今、更に…


「好きでもない奴いじめるかよ」


アイツが顔を真っ赤にして、こんなことを言ってるなんて…思ってもみなかった。



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