Tales of Love
遠くから微かに声が聞こえた。その声はだんだんと大きくなる。

その声で我に返ると、そこにはもうテルの姿はなかった。

「…夢?」

「やっと起きた。ずいぶん寝てたね美里ちゃん、もうそろそろ着くぜ」

新幹線の中、いつの間にか眠ってしまっていた、かなり寝ていたらしい。

「夢…見てたの、テル君の…強く抱きしめてくれた…」

「美里…正夢になるといいね、てかなるよ!」

「ありがとう京子ちゃん」

「美里、私たちもう二年も親友やってんでしょ!いつまでちゃんづけしてるのよ、京子だよ美里」

「ありがとう…京子!」

そして汽車はようやく到着した。
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