Bloody Kiss
砂埃や血などの汚れを落とし、バスルームを出て新しい服を着る。

今まで着ていた服は所々裂けているし、泥汚れも酷い。
割と気に入っていたんだけど、もう着れそうもないから処分するために近くのゴミ箱に投げ入れた。

ドライヤーで髪を乾かしてから脱衣所を出る。
恢は相変わらずベッドの上で眠っている。

正直、恢が眠っているなんて信じられない。この2年ずっと同じ部屋で過ごしてきたけど、恢の寝顔なんて見たことがなかった。恢は夜になるといつもどこかに行ってしまうから。二人部屋だけど、夜は一人で使っていた。それが恢と一緒の部屋でも問題がない理由。

それにしても、なかなか起きないな。もしかして、私が思っているよりも傷が酷くて起きられない?

「恢……?」

不安に駆られて恢の側に腰掛け、声をかける。するとゆっくり目が開き、優しい微笑みを向けられる。

「……大丈夫。心配するな、エリィ……」

それだけ言ってまた目を閉じてしまった。

『エリィ』って誰?



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