Bloody Kiss
目を覚ますとベッドの上にいた。
ぼうっとして頭が重いし、怠い。

寝そべったまま天井を見上げ、今自分が置かれている状況を整理する。

昨日の夜、バケモノが現れて、退治に向かった。でも森の中で出会したのは私の知っている獣型のバケモノではなく、ヒトのような形をしたバケモノ。

そのバケモノを退治した若い狩人の男。

傷を負った恢。

男は吸血鬼だからという理由で恢を殺そうとした。

だから止めた。

それから……。

「はぁ」

大体のことを思い出し、ため息を吐いた。

恐らく気を失った私を恢が宿の部屋まで運んでくれたのだろう。
首筋に手を伸ばすと、絆創膏が貼られていた。

恢が私の血を吸ったのはたった2回。
今回と、2年前。

ゆっくりと上体を起こす。たったそれだけで頭がクラクラした。
思ったよりも血を抜かれたみたい。

眩暈が治まってから隣のベッドに目線を向ける。
驚いたことに恢が眠っていた。

ボロボロになり血の付いた服、血の気のない青白い顔、微動だにしない肢体。初めて見たその寝顔は死体のようだった。

起こさないように静かにベッドから降り、バスルームへ向かう。
熱いシャワーを浴びながら、身体にできた傷や痣を確認する。強打した背中は青くなっていたが、他に目立った傷はないようだ。

ただの打ち身で済んでいるところをみると、あの男は手加減してくれたってわけだ。



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