Bloody Kiss
目を開けて最初に飛び込んできたのは血だらけの部屋と床に倒れる両親だった。

『……え……?』

そして鼻につく悪臭。

『うっ……!』

込み上げてきた吐き気を抑えようと口元に手を持っていくと、ヌルッとした感触がした。恐る恐る掌を見てみる。

『……っ!』

その掌は血で真っ赤に染まっていた。

『何……?何が、起こったの?』

理解しきれずぐるぐると回る頭で、真っ先に浮かんだのは両親の安否だった。

『お母さん……?』

立とうと思ったのに足に力が入らない。立つことは諦めて這うように母親に近く付く。近づくにつれて血の量が増えていく。床に手をつく度にビシャリと音がする。
その感触ゆえか、恐怖ゆえか、涙が溢れてくる。

『お母、さん……?』

うつ伏せに横たわる母親に恐る恐る手を伸ばす。微かに触れた肌から伝わる温度が嫌な予感を増長させる。人の肌とは思えない冷たさ。それが意味するものは……。

『お母さん!』

母を呼び激しく揺さぶる。
返事なんて返ってくるはずもない。
頭ではわかってる。でも認めることが出来ない。二人が死んだなんて、認められるわけがない。

何で?
何で二人が死んでるの?
この惨状は一体何!?

『何でこんなことに……』

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