Bloody Kiss
もう動かなくなった男には興味がない。
手を離すとドサッと床に落ちていった。
くるりと後ろを向く。

『あ、あ……』

次はこの震えている女。

『いやーっ!!』

うるさい。

『バケモノ!!』

うるさい。ウルサイ。

『来ないでーっ!!!』

ダマレ!

『っ!!』

頭に響く甲高い声が煩くて女を思いっきり薙ぎ倒した。その時爪が喉元を裂いたらしく血が噴き出していた。

『アーア、モッタイナイ』

床に出来た血溜まりを見ながら呟く。
血溜まりの中で呻きのたうち回る女。その女に跨がって押さえつける。恐怖で見開いた瞳に映るのは真っ赤な眼で血を滴らせた怪物。楽しそうに歪んだ口元から鋭い牙が覗く。
もう女に抵抗する力はなく、血が溢れだす喉元に食らいつき女の命を貪り尽くす。
ジリジリと焼けつくような喉の渇きと空腹が落ち着き、その場に力なく崩れ落ちた。

意識が混濁していく。

私はバケモノじゃない。

アイツのせい……。

あぁもう意識が……。

私はそのまま意識を手放した。



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