恋のSEASON
「あー・・・そろそろご飯食べようか。お菓子で1日つないじゃった。」





私が言ったら、比奈子ちゃんは一度時計に目をやって


「そうだね。お腹すいたし。」



と言ったので、二人でキッチンに立って簡単にご飯を作ることにした。





「眞妃琉、何作るの?」



「簡単に野菜炒めと桃切る感じで。比奈子ちゃんはご飯を炊いてくれる?」



「了解。ご飯♪ご飯~♪」



比奈子ちゃんは自ら作詞作曲のご飯の歌をうたいながら、小さな炊飯器にご飯を入れていた。

女である私から見てもかわいい。こんなん男が部屋でやられたら一発だと思う。




思ったよりも時間がかかったものの、ちゃんと食べられるものを作れた。



「いただきます。」

「いただきまーす♪」





無言のまま、テレビの音を聞きながら夕飯を食べていたら、比奈子ちゃんが言った。





「私と眞妃琉は恋する乙女同盟組めるね。お互い頑張ろうね。」



ニコニコ笑う比奈子ちゃんからは、来たばかりの時みたいな辛い顔は微塵も感じなかった。





「うん。そうだね。」





―この日の夜は満天の星空が広がっていて、それを見た比奈子ちゃんが

“私たちを応援してるのよ。”

と言ったのが頭の中をぐるぐるしていた。





それから約1週間泊まった比奈子ちゃんは7月末日に笑顔で帰っていった。



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