救世結社ガイア〜あなたの声はまだ遠く〜
「銀、お前『帰る』ったって鞄は?」

「ええねん。絶対必要~ってもんは入っとらんわ(笑)」

「携帯も財布もぉ!?じゃ逆にお前の絶対必要なもんってなんだよ?」

「う~ん…」

そんなとりとめのないことを話しながら、
夏木は昇降口へとつながる階段を降りる。

「つうかもういいだろ。重いからおりれ」

「あ」

「何??」

夏木は銀の視線の先をおった。

「前田ァァ!!!!夏木ィィィッ!!!!
止ーまーれぇぇぇ!!!!!」

宇賀神が鬼の形相でこちらへ向かって走ってくる。

「ひぃぃぃぃぃ!!!!?」
「追いかけてくるってのはニューパターンやな。さすがウガちゃん…」
「感心してる場合かッッ!!」


夏木は瞬時に思考した。

たしかに俺の足は速い。
高校になってからまともに測ったことはないが(体育サボり)
中学の頃の50m最終タイムは六秒…
国語教師の宇賀神(37)にとうてい負けるはずがない。

しかし、、
今俺の肩には銀(推定体重50kg)というハンディが乗っかっている。
対する宇賀神は良い意味で丸腰…
このまま走り続ければ間違いなく追いつかれる!!!!

こうなったら…


「銀!!飛ぶぞッ。つかまれ!!」
「え~え~!?ここ2階…」


夏木は踊り場の窓枠に足をかけた。
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