only one
「遥夢はお嬢だったのか…。」
紅茶のカップを細くて長い指でなぞりながら言葉を紡ぐディアス。
私には返答できない。
お嬢なんて言葉私には似合わないから…。
目を伏せ顔を上げない私にディアスは焦ったように話しかけた。
「お嬢って言われるの嫌だったか?
別に深い意味はないんだ…
お前の仕草や立ち振る舞いを見てると納得できるっていうか…
その…なんだ…えっと…」
「ふふ…」
しどろもどろ言葉を探すディアスに一瞬凍った心が溶かされた。
「お嬢になったのは嫁ぎ先で。」
笑みを浮かべて応える私にディアスはきょとんとして首を傾げた。