孤高の狼に捧ぐ恋唄


看護師が最後の質問を終えたのち、私は月の容態を訊いた。



看護師はちょっと止まったが、すぐに作り笑顔になって『大丈夫』と言った。



私はもう少しききたかったけど、巡回の途中だからと、そそくさと病室を出て行ってしまった。



何が大丈夫なんだろう。

医師は先程、今日が峠だと言ったのに。

次から次へと涙が溢れてくる。


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