孤高の狼に捧ぐ恋唄
「私、似てる?
じゃあきっと、妹さんは悲しいはずだよ?
大好きなお兄ちゃんの、笑顔が見れなくて。
私だったら『私のせい?』って思うな……
『私がお兄ちゃんを悲しませてるの?』って」
私がそこまで言ったとき、月がハッとしたように、焦点を私に合わせた。
「妹のせい……?
違う……
俺は、犯人を殺すことで自分の罪から逃れたかったんだ。
心のどこかで、全て犯人のせいにしてたんだ。
……俺は、逃げてたんだ……」
ポツリと呟くように言った。