愛した名前


私は首を横にふる。


「・・・きもくなんかないよ?そんな風に私のこと思ってくれて、ありがとう。少しの間・・・入院してる時、私を救ってくれたのは、あきらだったよ?本当に、ありがとう・・・それに、なんだか利用してるみたいになっちゃって・・・ごめん・・・」


私は、思ったことをそのまま話した。


あきらはそっと笑う。


「・・・利用とか、そんなの思わないし。でも、悪いと思ってくれてるなら・・・俺、今言いたいこと言っていい?」


あきらは私を見つめる。


「うん」






「俺が一番に願ってることはさ、さきが世界で一番幸せであること。少しでも悲しい思いとか、させたくない。だから、崎野に言っておきたいことがある。」


バッとけいの方を向いて、またあきらが言った。


「絶対さきを悲しい思いさせんな。さきが世界で一番幸せだって思わないと、俺、さきのこと奪いにくるから。」



けいはふ、っと笑って、


「絶対奪えないようにしてやるよ」


と言った。








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