愛した名前

本当の性格はこっちなのかな?


それとも、今だけ?


私はそんなことを思いつつも、口を開く。


「あきら・・・」


あきらは少しだけ私の方を向く。


「ほんと、・・・ごめん」


そう言うと、あきらはまたため息をつく。


「なあ、俺さぁ、まじだったんだよね」


あきらがしゃべり始めた。


「さきに会うまで、女とか全然興味なくて。友達が彼女できた~とか言っててもさ、彼女ができたから何かあんの?とか思って。ただメールとか遊ぶだけじゃんって。それなら、普通の友達でもできんじゃんって。」


あきらの目は、何を見つめているかわからないけど・・・


ただ、遠くを見つめていた。


「でもな、さきを初めて見た時思った。」


そう言って、私の方を向く。


真顔だけど、かすかに、優しい顔で・・・。


「何・・・?」


私が聞くと、少したって言った。


「話してみたい、メールしてみたい、できれば、たくさんの間。あと、俺以外の男子と仲良くすんなよ・・って、彼氏でもないのに思ってた。・・・ごめん、きもいよね」


あきらは悲しそうに言った。




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