愛した名前
「きゃあっ、・・・さきちゃんじゃない??」
後ろからみとりちゃんの声。
振り返るとみとりちゃんとたくとが玄関の前に立っていた。
私は一度けいの方を向く。
けいは少しニヤけて横を見た。
私はもう一度みとりちゃんたちの方を向く。
すると、みとりちゃんが私のところへ走ってきた。
たくとは冷静にみとりちゃんの後ろから歩いてくる。
「わっ」
みとりちゃんが私に抱きつく。
「もぉ、こんなところでいちゃつかないで~」
みとりちゃんは、ニヤニヤして私に言ってきた。
「へへ、ごめーん」
私が言ったあと、たくとが来る。
「久しぶりじゃん、崎野~」
「ぉお、え、もしかしてこいつお前の彼女とか?」
けいはみとりちゃんを指して言った。
「かわいいだろ?」
たくとは頷いて言った。
そんなたくとの言葉に、嬉しそうな顔をするみとりちゃん。
なんだか私も言ってもらいたくなる。
私はけいをじっと見つめる。
そんな私にけいはすぐに気づいた。
「どうした?」
そう言われてもじっと見つめる。