愛した名前
けいが私にキスしようと、顔を近づけた時・・・――
「あれ・・・?君は・・・」
私の肩を叩いた一人の男。
メガネをかけた優しい目をしたおじさんだ。
「高杉さんかい?」
「え・・・」
見たことないおじさんが、私のことを知っていた。
けいは私の後ろからギュっと私を抱き締めると、口を開く。
「彼氏いる前でナンパでもしてんの?」
機嫌悪そうに言うけい。
そんな訳ないじゃん・・・と思いながら私は目の前のおじさんに聞く。
「どうしてさきのこと知っているの?」
「おぉ!やっぱりか!いやあ、僕はすっかりもうバドミントンはやめたのかと思ってたよ!」
そう言って私の肩をポンポン叩く。