愛した名前


けいが私にキスしようと、顔を近づけた時・・・――




「あれ・・・?君は・・・」


私の肩を叩いた一人の男。


メガネをかけた優しい目をしたおじさんだ。


「高杉さんかい?」


「え・・・」


見たことないおじさんが、私のことを知っていた。


けいは私の後ろからギュっと私を抱き締めると、口を開く。


「彼氏いる前でナンパでもしてんの?」


機嫌悪そうに言うけい。


そんな訳ないじゃん・・・と思いながら私は目の前のおじさんに聞く。


「どうしてさきのこと知っているの?」


「おぉ!やっぱりか!いやあ、僕はすっかりもうバドミントンはやめたのかと思ってたよ!」


そう言って私の肩をポンポン叩く。




< 178 / 213 >

この作品をシェア

pagetop