愛した名前


「去年の4月から、試合は出ていたか?」


「4月・・・?」


ちょうど私が手術をしていた頃。


「おじさん・・・私を知っているの?」


私は問いかけた。


「あぁ。去年の3月の大会で、僕が教えている高校生が出ていたんだ。その時、君を見つけた。」


私が怪我をした日に・・・?


「君の試合を途中まで瞬きせず見ていたよ?」


おじさんはニコって笑った。


でも、私は疑問に思った。


「途中まで?」


「ちょっくら会議があってな。でも、ギリギリまで見ていたよ。」


あ、だから怪我したことを知らないんだ。


きっと、おじさんが会議に行ってその後に・・・。




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