【短】さ く ら Ⅰ~あなたのことが好きすぎて~
「もうバイト終わるから、裏で待ってて。」
陽介がこっそりとあたしの所に来た。
まるで普通の態度。
…やっぱりさっきの子はただのバイト仲間だよ、ね。
陽介に言われるがまま、裏口の前で待っていた。
すると5分もしないうちにドアが開いた。
「陽介っ!あっ…………。」
出てきたのは陽介じゃなくて、さっき陽介と仲良さげだった女の子。
少し気まずい空気が流れた。
「…陽介くんの、彼女さんですか?」
「はい…。」
「あたし、同僚の雪村 詩音(ユキムラ シオン)っていいます。」
「あ、あたしは…。」
「知ってます、亜由さんですよね?陽介くんからよく話を聞きますから。」
「そうですか。」
なんだろう…この子。
笑ってるのに、笑ってない感じがする。