俺だけの愛しい妹

「脅しですか?」

田口も冷静だった。

「死にたいの??」

拓哉は力を入れた。

プツッと血が流れ出た。


それでも田口は表情を変えなかった。

「あなた、本当に結菜さんの彼氏ですか?」

「だーかーらー」


明るくそう言ったあと、


「名前を呼ぶなっつったろ?」

そう言われたあと、田口は――――



ガシャンッ!!

ビクッと結菜の体は飛び上がった。

なんだ、今の音は……



田口に、なにかあったのか――……

結菜は足に縛れてる紐をほどいていた。


あと、手をとればっ……



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