わがままモデル王子は危険な香り
「あ…カシスオレンジのおかわりを」

私はバーテンダーに注文をした

「私はバーボンね」

背後から声が聞こえてくる
振り返ると、きちんと化粧をしている戸倉さんだった

また胸のあいた服を着ている
大きな胸でできた谷間が、セクシーな女性を醸し出していた

「お待たせして申し訳なかったわ」

「いえ、それで仕事の話っていうのは?」

「ごめんなさい。それは嘘よ
あなたと話がしたかっただけ」

「そうだと思っていました」

私はバーテンがだしてくれたカシスオレンジを飲んだ

「きちんと言っていくべきだと思ったのよ
桜嗣が貴方にアプローチをかけてくると思うけど

桜嗣はきちんと付き合っている人がいるから…
さっきの私たちの様子を見て、気づいてくれるかと思ったけど

貴方って意外と鈍感みたいで気づいてないようだから
しっかり言っておくわ

私と桜嗣は付き合っているの
ほら、あなたも桜嗣のファンなら知っているでしょ?
桜嗣のスクープ写真
あの相手は私だから」

写真の相手が目の前にいるって気づかずに、戸倉さんは堂々と嘘をついていた

これは……マネージャーとして王子のイメージを守るために嘘をついているのか


それとも王子が好きで、私にとられたくないっていう感情から?


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