わがままモデル王子は危険な香り
眠れない

こんな場所で熟睡なんてできない

私はこれからどうなるのだろう

顔をあげると室内を眺めた

シングルのベッドがある
ベッドには布団があった
誰かがこのベッドを使っていたのだろうか


ベッドの脇には棚がある
棚の上に電気ランプがあった

洋服ダンスも置いてある

タンスの上から3段目の引出しから黒いものが飛び出していた

何だろう

私は立ち上がるとタンスに近づいた
ゆっくりとタンスをあける

ズボンだった

黒? 紺?
私の足より少し短めのズボンだ

綺麗に並べて中に入っていた

上の段には白いワイシャツがきちんと畳んで中に入っていた
男物のワイシャツ
そしてTシャツも
全て白色だった
まるで新品のように真っ白で汚れなど見当たらない

この部屋で少年が過ごしていた?

しかもすごく律儀な男の子

皺ひとつなく綺麗に畳んで服をしまう男の子
洋服屋の商品のように綺麗に畳んである

何のためにこんなところで生活を?


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