天使的恋愛論


「ごっ、ごめっ…天祢くん、大丈夫?」

「――っ…作間って、何考えてんのか予測不可能…。」


そう呟きながら、天祢くんはゆっくりと立ち上がった。
私も頭を抑えながら、適当に苦笑いをする。


「あ、あはっ…よく言われ…ない、けど。わかる気がしますっ!」

「そうそう、予測不可能さん、みたいな。」


彼はそう言って私の頭に触れた。
すごく優しい、その感触に私は目を閉じそうになった。


「っ、でもっ、天祢くんも予測不可能くんだよっ!」

「ちょ、それは作間でしょ。」

「じゃっ、じゃあ、天祢くんは、不思議くん!」


負けじとそう言った私を見て、彼は目を細めて笑った。


「じゃあ、いいよ、それで。」


ところで、だ。
いつの間にか雑談に変化していたけれど、私が気になったのは。


「な、なんで家の前にいたんだっけ…?」

「――…あ~、うん。ちょっと、作間にお願いがあるんだけど。」

「う、うん?」


いつもの無表情で、彼はじっ、と私を見つめる。
思わず後退りをした私の腕を掴み、彼は無表情のまま口を開いた。


「研究、させてくれないかな?」


みなさん、やっぱり天祢くんは不思議くんです。


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