さようなら。
ここ……初めて哲と

出会った場所だ。

ぶらんこの後ろで携帯いじって

浜谷先輩のことばっかで。

「……優花?」

肩を叩かれて振り向くと

哲だと思ったけど匠がいた。

匠はなんでも話せるから……

あれからそういう人とは

一度も会ってなかったから……

あたしが溜めてた気持ちが

一気に込み上げてきた。

「…匠ぃ……っ

あたし……どうしたらいい?

あたし……あたし……っ」

ついでに涙も込み上げてきて

「ちょっと優花

どうしたよ?」

こういうふうに泣くあたしは

本当はずるいのかな?

あたしだけが弱いみたいに

本当はそうじゃないのに。
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