さようなら。
「ちょっと落ち着け

テツ先輩のことだろ?

一人で溜めてもいいことねぇ

全部吐き出せよ」

匠の優しい言葉が

あたしの心を動かす。

心が開いていくのがわかる。

あたしの口が自然に動き出す。

「あたし……あの日

哲になんて言えばいいのか

わかんなかった……

声をかけていいのかも

名前を呼んでいいのかも

全然…わかんなかった……

あたしは彼女なのに……

哲に触れるのが怖くて……

だけど近づきたくて……

抱きしめられたときだって

頼られてるってことに

安心した自分がいて……

あたし……最低な女だ

あたしは支えられてばっかり

支えることもできない

せめて勇気付けようと思った

だけどそれも怖くて……

あたし、哲を幸せにできる

自信がないの……」
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