親友、寺に消ゆ
あの時ほど無我夢中で駆けた時はなかったと思う。

茨城県で過ごした幼少時代。

友達の誕生日パーティーの日に起きた、奇妙で不気味な話。

脳裏に焼き付けられたその現象を今一度振り返ってみようと目の前のテーブルに置かれている冷めかけたダージリンティーを一口すすって息を小さく短めにフッと吐き、目を瞑ってあの日を思い返す。

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