CURODO

響く銃声

「やはり素人はダメだな。気配が全く消せていない。」
 如月の言葉で回想が終了した。くそ、ここまでか!俺の背中に嫌な冷汗がじっとりと流れる。銃口がこちらを向いている。今まさに如月が引き金を引こうとしたその時だった。
「待ちなさい。」
 真矢だ。見ると、銃を両手で持って如月に向けている。パアンという銃声が聞こえて、駐車場の端っこに銃弾が当たった。外れだ。銃を持つその手がカタカタ震えていた。
「はん、ガキのお前に銃が扱えるか。銃っていうのはな、こうやって使うんだ。」
 銃口が真矢の額に向けられた。引き金が引かれそうになる。
「やめろぉ!」
 俺は思わず銃の引き金を引いた。

パアン!

 乾いた銃声が駐車場に響き、如月がガクッとひざをついた。肩からは血が出ていた。俺が撃ったのだろうか。血の気がザザァと引いていくのが分かった。その時、階段の方で声がした。
「お前はまだまだ甘いな。」
声の主の方を見ると、渋い感じの強面のおじさんが立っていた。手には銃が握られている。
「誰だ?」
首を傾げていると、俺より先に真矢が反応した。
「パパ!」

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