2つの世界
精神科いくほど壊れてない。

ただ、あたしは波留さんにあんな事言っておいて、悠斗に未練がある。

あんなにひどいことされても、どうやら好きって感情は変わってくれないみたいだ。

「悠斗は…もう平気なんだ。」

自分でそう言って、涙が出てきた。

「そうかな。」

1人でいたはずなのに、後ろから声がした。

「優花。サボリ?」
「麻莉もでしょ。」
「ね、そうかな。って、どーゆー意味?」
「悠斗くんは麻莉と別れて平気じゃないって事。」

今まで、この事に関してなにも言わなかった優花が初めて触れた。

「ってか、冷めたらしいからね。」
「それは悠斗くんの本心?」
「え…?」

優花が何を言ってるかわかんない。

「優花、ちょっと意味が…。」
「だから、麻莉が聞いたのは悠斗くんの本心なの?」
「当たり前じゃん。本心じゃなかったら、なんで別れんのよ。」
「なにか…。波留さんとなにかあったとか…。」
「仲良くやってるってさ。」
「誰から聞いたの?」
「波留さん。」

あたしがそう答えると、優花はため息をついた。

「麻莉は…言われたことを全部信じるの?」
「うん。」
「例えば、あたしが実は麻莉が嫌いって言っても信じる?」
「信じない。優花は嫌いな人にこんなに親切にしない。」
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