2つの世界
†優花†

麻莉…。

今あたしの目の前にいる人は誰なんだろう…。

こんなの、麻莉じゃない。

「遅すぎた。」

そう言ったあたしの親友。ただし、外見だけ。

本当に手遅れなの?

中身のない麻莉。桜の時も、麻莉らしくないことばっか。

でも、なんて声をかけていいかわかんなくて…。

なんて麻莉に言ってあげればいいのかわかんなくて…。

気づいたら、1年。

「麻莉。本当の麻莉も取り返せないの?」

あたしの問いに、

「これが本当のあたし。中身がなくって…とりもどした中身は腐ってた。」

急に泣きたくなった。

麻莉から、そんな言葉を聞くなんて…。

悠斗くんは…。今、どうしてる?

クラスでは見かけるけど、もうあの頃の面影はない。

麻莉の専属メイクもとっくにやめてる。

悠斗くんは、麻莉の事をどう思ってる?本気で波留さんを好きになったの?

麻莉は、聞こうともしない。

人は変わっていく。でも…こんな変わり方でいいの?

こんな麻莉達は見てらんない。

余計なお世話かも。本当に、取り返しのつかないとこまで来てるかも。

でも…あたしは、麻莉も悠斗くんも大切な友達だから…。

空っぽは嫌だったんだ。
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