絶対キケン恋愛-☆年下王子とLOVE×PANIC!☆-
あたし達が降りた三十階は、広い廊下の中にポツンと扉が一つだけあった。
たぶん、三十階丸々が部屋として使われているのだろう。
こんな高級マンションとは無関係のあたしにとっては、この風景がなんとも歯痒かった。
ただ呆然と立ち尽くしているあたしをよそに、運転手は慣れた手付きで一つしか存在しない扉を開ける。
「琴弥様、どうぞお入り下さい」
「へ…?」
あたしは躊躇いながらも足を踏み出す。
玄関は、マンションとは思えない程の大理石が。
…ここは運転手の家なのだろうか。
それとも、他の誰かの家?
あたしが靴を脱いで、出されてあったスリッパに履き替えた時だった。
「ハッピーバースデー、琴弥!!」
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