ケンカ上等☆不良校上々↑↑



「だからダメだって」

まだ安静にしてなきゃ。


その言葉も届かず、立ち上がった仁は不機嫌にこっちを見下ろしていて。



ひょっとして怒ってる?


「どうしたの?」



平然を装って質問するものの、内心ビクビク。


それを知ってか知らないでか、屈んで視線の高さを同じにしてくる。




「少し、おとなしくしてろ」

「へ?───ちょっ、ひゃっ」



首のうしろに腕を回されて、そのまま背後にあったベット目掛けて押し倒される。



「なにすんの!離れてよ!」

「うるさい、黙れ」



黙れって、この状況で黙ってられる人いたら、すごすぎるから。



「やめて、ってば」


さっきから何をしているのか、首筋で仁の手が動くからくすぐったい。



「あたしには、触るなとか言って振り払ってきたくせに」


もがきながらも反抗すると、意外にも相手の動きがピタッと止まる。



近距離で絡んだ視線に思わず上昇する体温。


かすかにだけど、仁の表情に恐怖を覚えるのはなぜ?






< 443 / 541 >

この作品をシェア

pagetop