ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「だからダメだって」
まだ安静にしてなきゃ。
その言葉も届かず、立ち上がった仁は不機嫌にこっちを見下ろしていて。
ひょっとして怒ってる?
「どうしたの?」
平然を装って質問するものの、内心ビクビク。
それを知ってか知らないでか、屈んで視線の高さを同じにしてくる。
「少し、おとなしくしてろ」
「へ?───ちょっ、ひゃっ」
首のうしろに腕を回されて、そのまま背後にあったベット目掛けて押し倒される。
「なにすんの!離れてよ!」
「うるさい、黙れ」
黙れって、この状況で黙ってられる人いたら、すごすぎるから。
「やめて、ってば」
さっきから何をしているのか、首筋で仁の手が動くからくすぐったい。
「あたしには、触るなとか言って振り払ってきたくせに」
もがきながらも反抗すると、意外にも相手の動きがピタッと止まる。
近距離で絡んだ視線に思わず上昇する体温。
かすかにだけど、仁の表情に恐怖を覚えるのはなぜ?